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Ballet~ときどき美容と食い意地~

王の帰還 ~K-BALLET COMPANY クレオパトラ~
2022-10-29 14:18

Kバレエカンパニー《クレオパトラ》。
10/28(土)14:00開演。
特別出演:熊川哲也《ジュリアス・シーザー》


昨日は朝からそわそわして、必要ないのにトゥシューズのリボンを付け直ししてみたり…。
立ったり座ったり、うろうろしたり。おやつを食べたり(いつもか)
頭の中ではカール・ニールセンによるテーマがずっと流れ続けています。

どれだけこの日を待っていたことか…。
最初にファンクラブのお知らせが来た時には「ひっ」って声が出ました。
本当にまた、熊川さんのお姿を挨拶やイベントでなく舞台上で見ることが出来るのか。

しかし公演日は、私にとって二度目の卒論指導前日でした。
目から血が出るほど課題に取り組んだために精神的にも疲弊しており、その意味でもそわそわが止まりませんでした。

ちなみに本日無事に面談が終わり、なんとか来年の卒業予定申告に許可をいただきました。
自分でちゃんと判断できる人だと思うから、自由に書いてみなさい。
楽しんでやるんだよ。担当いただいている教授から、たくさんのねぎらいの言葉をいただいて面談中に泣いてしまいました。
ここまで来れたのは、お忙しい中にもかかわらず担当して都度適切なアドバイスをくださった素晴らしい先生のおかげです。
本当にありがとうございます。

ということで公演日!
舞台が楽しみなのと、翌日の準備をしてもしても不安だったことで、そわそわしすぎて何とオーチャードを通り過ぎてしまいました。
それくらいうわの空でした。(ぼーっとし過ぎて事故に遭わなくてよかった。)

と言いつつもWOWOWで録画した、祥子さんのクレオパトラで進行やストーリーのおさらいもして。
準備万端で臨みました。我ながらメンタルの高低差がしんどい・・・!

わずかばかりですが、夢の時間をくださった皆さんの記録を残しておきます。

吉田周平さん(プトレマイオス)
プトレマイオス役だった関野さんの体調不良とのことで、アンダーだったとは思えない落ち着きで急な代役を難なくこなしていらっしゃいました。
関野さんのイメージで想像していた弟感とは違ったけれど、しっかり重量感がある厚い身体(もちろん、太っているとかではなく)なのに、安定して力みのないまっすぐな踊り。好きだなあ…。
でも関野さんでも見たかったなあ…。
関野さんご自身が一番念だったでしょうけれど、関野さんのご快復をお祈りしつつ、吉田さんのご健闘に拍手でした。

山本雅也さん(オクタヴィアヌス)
お立場は前回の弟(プトレマイオス)からお兄さんになりましたね!
飯島さんがクレオパトラの回ではアントニウスもおつとめになるとか。超人過ぎますね。
役のふり幅がすごすぎて、私だったら多分気がふれます。
オクタヴィアヌスがローマ軍を率いる場面では、要所要所で熊川さん版《海賊》のアリっぽい振付もあり(しゃれではございません)
さすが初代ローマ皇帝になる男。
シンプルにかっこよかったです!
重要な二役をつとめる辛さはみじんも見せない。男気!そんな言葉が今回の山本さんのイメージにぴったりきました。

堀内將平さん(アントニウス)
そして堀内さん。また美のステージがあがったようです!容姿も踊りも空気も全部が美。なんかいい匂いもした!そんな気がした!
元々削ぎ落とすところなんて何もないのに、さらにエアリーな踊りで…軸がぶれないのにふんわりかつ正確なポジション。でも弱くない。演技も感情表現も自然。ご本人の美のピークに近づいてらっしゃるように思います。下がる気配はまったくありませんが!もっと上るかもしれませんが!ちなみにお化粧も一番自然でしたが、一体何故なんでしょう。全身から溢れ出る美。美。美。堀内さんの踊りは、見られるうちは出来る限り見ないといけないと改めて決めました。
堀内さんが踊る薔薇の精とか、バレエ・リュスでフォーキンが振付した演目とかも見てみたいなあ。。

小林美奈さん(オクタヴィア)
グランフェッテもダブルをバンバン入れて気合いが入り。これまた拍手が起こっていました。愛らしくて可憐な美奈さんが舞台で踊ると華やぎますね。お衣装は水の妖精みたいで清らかで、インスタなどで拝見するご本人のお姿と役のイメージがぴったりでした。美奈さんがいないとはじまらない。そんな風に思います。その意味ではクレオパトラのお付きでヴァリエーションを踊った戸田さん、成田さんもまた舞台のクオリティを担保する重要な役割でした。主役ではなくてもエキゾティズムの演出には絶対に必要なエッセンス。もちろんほかの選ばれし舞台上の皆さま全員が素敵でした!

酒匂麗さん(案内人)
初演と同じ役を演じられるのは酒匂さんだけかな?
※石橋さんや堀内さんもそうでしたね。他にもおいでかもしれません。ごめんなさい。
クレオパトラを軸にした群像劇を繋げる、とても重要な役どころを二回も任されるとは…!
よほどの信頼がなければありえないのでしょうね。
益々クレオパトラの忠犬な感じも醸し出されていましたし、踊りはもうエジプシャン!
よっ!生粋のエジプトっ子!!
私が男性バレリーナだったら、この役を踊ってみたいなあ。

栗山廉さん(クレオパトラに選ばれた男娼)
以前は線の細い感じもありましたが、こつこつ前進なさって踊りも存在感も進化されている気がします。
前回堀内さんが踊ったクレオパトラに選ばれた美男という役どころを踊り切りました。お見事でした。
もともとビジュアルは群を抜いて素晴らしい方ですが、それに胡坐をかかずに精進されていることが伝わります。
生意気な表現になりましたがお許しください。
杉野さん栗山さんを中心に新メンバー追加で新ジェンツもやってほしいな~、なんて思ったりもしております。

石橋奨也さん(ブルータス)
そしてブルータス!石橋さんなら間違いないですね。
どんな表情を見せていただけるのか、オペラグラスと裸眼と眼鏡を駆使して見つめました。
こういう役の説得力があるかないかで演目全体のレベル感が変わりますよね。
石橋さんなら絶対間違いないという期待にきちんと応えてくださった。そして杉野さん奥田さんでも見てみたかった。
カルメンの配役の時もそうでしたがが、毎回どの回に伺うか悩みます。毎回同じこと言ってますがほんと悩む…。
私がローマの貴族だったら全部行くのになあ…!
しかしこれ、ご卒業なさった初代ブルータスの伊坂文月さんと熊川さんでも見てみたかったな~!!

日高世菜さん(クレオパトラ)
クレオパトラの女性としての悲しさと自分でも制御出来ない魔性の二面が混成して、最後に爆発したように見えました。
会場全体の気の流れが変わった気がします。1人の人の短い踊りであんな風に場の空気が変わるんですね。
最後の数分間のために、ずっと長い一幕(実際は二幕)を見続けてきたような気持ちになりました。

愛も憎しみも超えて、男たちの屍も超えて女王の尊厳と孤独を取り戻してのラスト。
立っただけの姿で孤高の存在なのだと伝わる説得力。
震えました。気づいたら、自然に胸の前で両手を握りしめていてました。
それと後ろのお付きの方たちと比較しても腕が長いのかな、使い方が卓越しているのかな。
性的な場面でも激しい場面でもアームスの使い方が上品なので、女王の気品が損なわれることがありません。
圧巻。圧倒的。日頃のインタビューでの穏やかなご様子とはまるで違う。いやあ…どてらいお方です。

熊川哲也さん(ジュリアス・シーザー)
20221029
我らの王が帰っていらした。王の民たちは万感の思い。そんな気持ちです。

このお写真。
前にずっと誰かいらして写真撮影をされていたので、無人になった開演ギリギリに撮ったものです。
きっと、私なんかよりずっと前からファンだったたくさんの方が嬉しくて楽しみにしてらしたんでしょうね。

熊川さんのアントルラッセをまた生で見られる日が来たなんて…。
ピルエットと一度軽くグランジュッテもあったので、何度も頭の中で反芻しております。
そしてブルータスに裏切られて殺される前の、無垢な悲しいお顔…ホセを思い出しました。
威厳があるけれど、王だからこそ誰にもおもねらず感情をそのまま露にする。
キャシディさんとはまた違った解釈(に見えました)の演技でしたが、王=日ごろの熊川さんのイメージにも近かったために
シーザーを失ったクレオパトラの悲しみにも、自然に感情移入出来ました。
後100回見たいんですが、いったいどうしたら…。

改めて熊川さんは、ずっとバレエの舞台の上で生きてらしたた方なんだって思いました。
お若い頃も今も、時を重ねて変化されてもそれぞれその時々が美しく魅力的で。
舞台に上がってくださって本当にありがとうございます。

終演後、熊川さんや舞台の上の皆さんを一秒でも長く目に焼き付けておきたくて。
会場の皆さんも同じ気持ちだったのかな。
回数は数えられなかったけど、拍手が鳴り止まずアンコールは5回?6回?すごい回数でした。
どなたか数えてらした方がおいででしたら、お教えください。

今回クレオパトラは他にも浅川さん、飯島さんがおつとめになります。
飯島さんの《FLOW ROUTE》がとてもよかったので、飯島さんが最後のシーンをどう踊るのかも見たかった・・!
(浅川さんはいわずもがなですが、全クレオパトラ見たい。って毎回公演のたびに思う!何回も言いますが!そう思う!)

こちらは終了されてます。
配信購入はまだぎりぎり間に合いますので、リンクはっておきますね。
クレオパトラ オンライン配信


そうそう。
最後に追記でございます。
先日、Kバレエのファンクラブの中から抽選でTBSさんで《カルメン》の上映会がありました。
レッスン後にギリギリで到着して危うく遅れそうになったんですが、エレガントな女性が案内してくださいました。
TBSのかただと思いますが、その節は親切にしてくださってありがとうございました。
片隅のブログ記事ですが、万が一でもその方のお目にとどまることもあればと思ったもので、お礼まで。

きっとKバレエとTBSさんとの提携の企画は今後もっと増えていくのでしょう。楽しみですね。
TBSの皆さんから熊川さんへのリスペクトの姿勢がよく表れている記者会見もありましたね。

しかし。
どんな楽しみなことも、怖いこともいつかは終わるんだなあ。
選ばれし英雄たちの特別な悲劇を目の当たりにした小さき者は今、卒論指導を終えてしみじみそう思っています。

まとまりはございませんが、ささやかなブログにご訪問くださった方ありがとうございます。
素敵な週末をお過ごしください。
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Happy birthday Mr. Ballet!!
2022-03-04 21:46

バレエの天才熊川さんが、明日2022/3/5(土)で50歳をお迎えになるのですね。
おめでとうございます。

わたしにとって、熊川さんのバレエは宇宙からのギフトです。

生まれてくださって、ありがとうございます。
いつまでもお健やかにお過ごしください。

そんな熊川さんのLIVEトークが配信されます!
明日2022/3/5(土)16:00~限定です!
【3/5(土) 特別配信】熊川哲也 50th anniversary PREMIUM LIVE

※配信は終了されています。


楽しみで楽しみで、今から震えながら待っています。

また、熊川さんは芸術監督としてもたくさんの素晴らしい作品を発表されています。
その舞台のひとつが、明日だけの限定で動画配信されます。
どちらも無料とは・・・!いいのでしょうか。

3/5のみ限定公開!熊川哲也演出・振付『クラリモンド〜死霊の恋〜』全編 5th Mar, One day ONLY! "Clarimonde - La Morte Amoureuse”

※配信は終了されています。


こちらは以前、堀内將平さんが浅川紫織さんと踊った小品『死霊の恋』の全幕版です。
ゴーティエの原作から、老いの醜さをろ過して青春の瑞々しさと儚さだけを結晶化したみたい。

一気に駆け抜ける小品の良さも捨てがたいのですが、全幕もまた素敵でした。
踊る方たちだけでなく、音楽も舞台美術もお衣裳の豪華さも、細部まで丁寧に作り込まれていました。

Kバレエのプリンシパルである日高世菜さんと堀内將平さんの新しい『死霊の恋』。
娼館で吸われた煙草の紫煙のように、空をたゆたう別の世界を覗いてきたような感覚を覚えています。

実際に舞台で拝見すると、日高さんの上体がとにかく美しくて。
どこにも力が入っていないのに、どうしてそんなバランスで軽やかに踊れるんだろう?!
え?!ええ?!と何度も息をのみ。
生きている時は回転したら花びらが周りにひらひら飛ぶように見え、ヴァンパイアになってからは、まさにこの世の者ではなくなって肉体の重みが消えてしまったように見えました。

綺麗だったなあ…。
骨細で華奢なお姿なのに、なぜあんな風に踊れるのでしょう…。

拝見して以来、ずっと自分のレッスンでも上体や背中を意識しております。見習って、とか言うのもおこがましいので小さい声になりました。

日高さんと堀内さんが一緒に踊る場面。
光と影みたいに一つになって踊る二人の儚い恋が切なくて…。

振付にオマージュ的な要素も散りばめられていたように感じましたので(違ったらごめんなさい)、日高さんの踊るジゼルか椿姫をみてみたいと思った方も多いんじゃないかなあ。いやあ…観たい!
(そういえばゴーティエは『ジゼル』の台本を書いてますしね)

舞台にはロートレックも登場しますが、古き良き19世紀パリのベルエポック感がありました。
娼婦たちが登場した時の振付は、ショパンのピアノ曲の効果もあってか清らかな若い女の子たちみたいでそこは意外でした。

むしろ今回の妖艶さは、女将役の浅川さんが一手に引き受けた感じでした。
浅川紫織さんの踊るお姿を拝見できて、嬉しかったです。
『若者と死』がコロナ見合いで中止となり、ご復帰が流れてしまいました。
堀内さんも気合を入れて役作りなさっていた記憶があるので、残念だったなあ。
いつだったのかスケジュールを見直してみたら2020年のことだったんですね。コロナコロナであっというまの2年でしたが、ご復活を拝見出来たのも幸せでした。相変わらず、現れるだけでも香り立つような艶やかさでした。

清らかといえば、堀内さん以外の方が踊るロミュオーが、ちょっと想像がつかないくらいはまり役ですね。
小品より、さらに全方位から姫でした。
なんて、ふざけるように書いてしまいましたが、彼の踊るバレエの品の良さがあってこそ、この役がはまるのでしょうね。

そしてこの全編版を支えるもう一人の主役、ピアニストの塚越恭平さん。
ミスタッチが無さすぎて、途中で一瞬「あれ?録音だったっけ?」とオケピを覗いてしまいました。



3/5(土)だけが配信無料なのですが、動画購入も可能と追加でお知らせがありました。

なので、まずは舞台の動画を見て、制作の背景を見てもう一度舞台を見直すなんて贅沢も出来ますね。
しかも『シンプル・シンフォニー』、『FLOW ROUTE 』も見直せるなんて…!
昨年末ベートーヴェンのラズモフスキー、その他作品を聴きまくっていたので、個人的にも幸せ・・・!
(そのうちシューベルトでも何か作品が作られたらいいなあ・・・なんて。)







限定の無料配信動画は、熊川さんのお誕生日なのに、熊川さんとK-balletの皆さまから世界中へ美のプレゼントですね。
ありがとうございます。
人間にはパンだけでなく、心にも滋味ある栄養が絶対に必要だから。
まだまだコロナ禍は続いていますが、こういう美しいものがあるから膝をついてもまた立って前を向いていられます。

そして。
書くか迷いましたが、ウクライナとロシアの状況が早く落ち着きますように。
世界にある美しいものを、誰もが安心して愛でられる日が早く来ますように。

誰もひもじくなく、寒くも暑くもなく、痛くも苦しくなく、大好きな人と一緒にいられたらいいのにね。
悲しいニュースを目にするたび、何もできない自分が辛くて。
つい、そんな子どもっぽいことを思ってしまいます。

カルミナ・ブラーナ2021
2021-03-18 23:03

ヒトのゲノム解析が終わったという報道があってから、ずいぶん経つというのに、まだまだ人については、わからないことだらけですね。

前回ブログを書いてから、約一年。
正しさや善悪、個としての人と、集団としての人との違いなんかについて、つらつらと考えておりました。

しかし、まるで答えには至っておりません(ないんかい)。
自分なりに思うのは、全ての言葉も行動も思考も、源には知と愛が必要なんだなあと。

そんな折、熊川さんが踊りのパートにも参加されると決まったカルミナ・ブラーナ2021。
今回は生の舞台ではなく、動画配信という方法で公開されるこの作品。
K-BALLETのアンバサダー活動で、先行上映会にお招きいただいてきました。

CarminaBurana_Main2(C)Makoto Nakamori

チラシ_1

チラシ_2

HUMANITY AGAINST COVID-19
これが、今回のカルミナ・ブラーナのテーマだそうです。

ペストやコレラ、古くはスペイン風邪など。
人類が、多くのパンデミックを経験してきたという歴史の変遷は知っていたとしても。
今もって自分がその渦中に巻き込まれているだなんて、世界の誰もが思いもよらなかったのではないでしょうか。



CarminaBurana_3.png

CarminaBurana_2.png

CarminaBurana_1.png

物事や人の多様性について、考えさせられることが多い昨今。
その反面、多くの人間に共通するような類の快楽や感動も存在することも確かです。

満天の星空。海に溶ける夕焼け。
暗い夜道に浮かび上がる桜。

モーツァルトの作る旋律。
シェイクスピアの戯曲。

パンが焼きあがる匂い。
よくお日様にあてた、ふかふかのお布団に入ること(急に庶民)。

私の脳内では、熊川さんの踊りは、そういうものたちと同じところに格納されています。
在るがままで完全。足す必要も引く必要も無し。
熊川さんご本人のお言葉をお借りするならば、完璧という領域。
今現在の感情や体調は関係なく、見たら必ず現状を忘れて惹き込まれる、絶対の快。

現在はKバレエのディレクターとしてお力を発揮され、ご成功されていらっしゃる熊川さん。
Kバレエの現役ダンサーさんの舞台を毎回楽しみにしつつも、ご本人の踊りを拝見する機会はもう無いのかな、なんて寂しくも感じていました。

ですので、まずは熊川さんの新しい踊りが見られたことが何より幸せです。
どれだけ、熊川さんの踊りに鼓舞され、勇気とモチベーションをいただいてきたことか。

スターとは、よく言ったもので。
熊川さんは、私にとってお星様みたいな最高のバレエダンサーさんです。
(フランス語でしたら、エトワールはプリンシパルの意でもありますものね)

現実に、天才に遭遇する機会というのは、そう多くはないでしょう。
多くの人は星を見て美しいと感動しますし、どう美しかったのか伝える工夫なら出来ますが、星そのものになることは出来ないです。星と同じ何かを人に感じさせる表現が出来るのが、熊川さんの踊るバレエの素晴らしさだと思っています。ただそこに在るだけで、すべてが完璧。

TetsuyaKumakawa_01.jpg

カルミナ・ブラーナの内容については、不用意に触れると観る方の楽しみが激減してしまうのでここでは多くは書きません。
ただもう、見ながらつい体が動いてしまい、震えました。

2021年3月29日(月)19:00から4月27日(火)23:59までの配信期間、何度でも視聴可能です。
動画が購入できる公式サイトのリンクはこちらです

関野さん(試写会においででした)、遅沢さん、髙橋さん、堀内さん、小林美奈さん、成田さん、舞台上の皆さん最高でした。

また、K-BALLETのカルミナ・ブラーナは、古典バレエが好きで、コンテが苦手な方、もしくはバレエや舞踊に興味が無い方であっても、視聴をおすすめしたい作品です。
寓話的な要素が多いので感情移入がしやすく、飽きない展開なのとクラシックバレエの動きの魅力も多く取り入れられています。
(関野さんのシェネがまた・・・超絶技巧!バレエをやっている方には伝わるかもですが、関野さんのシェネは、シェネネネネネネネ!の美高速回転。ちなみに比較すると、私のシェネは、シェ、ネ、シェ、ネ、ネ、ネ、ネ…みたいな有様。これくらいはネタバレじゃないでしょうか?本当は、あれもこれも言いたいけれど…我慢です。)

映像制作も、監督の方とずいぶんと苦心なさったようです。
生の舞台は何物にも代えがたいのですが、自分という主体が、舞台という客体を見るだけの一方向の視点と違い
様々な思惑や角度といった通常と異なる視点で作品をとらえられることで、普段とは違う気づきを得られるのではないでしょうか。

いまだ、コロナは終息せず。
お亡くなりになった方のご冥福と、罹患された方のご回復を心よりお祈りしております。
医療従事されている方を始め、コロナ対策に従事いただいている方に心から感謝申し上げます。
世界中、皆それぞれ経験したことが無い未知のものと戦っていますね。

昨年中は祥子さんや遅沢さんのアデュー公演となった、海賊の舞台に何度も伺えたのにも拘らず…正直へこたれてました。

メディアや個人の何かの情報発信を目にしては、ネガティブな気持ちが湧くことが多かったため
自分の心の安定を保つためにSNSもインターネットからも、極力離れるようにしていました。
(結果、勉強や自粛期間後のレッスンは、他年よりはかどり…今となっては、どんな事にも一分の利はあると思いたいです)

人間の中には、たくさんの要素があります。
きれいなものも、汚いものも等しくあるように思います。
汚い溝の中に何があるのか覗きたい欲望も、美しいものを愛でる優しい眼差しもどちらも存在します。
自分の中にも。
そういうことを、改めて思い知った一年でした。

この作品では、人間に内包された綺麗なものと汚いもののあらゆる表現、また未来への可能性を見せていただきました。
優れた芸術作品が持ついくつかの特徴の中に、時代性と、いつからか作者の手を離れて自生していく力があると思っています。
カルミナ・ブラーナ2021が、まさにそれでしょう。今しか出来ない、今必要な表現。

熊川さんの御心の内を知る由もありませんが。
もしかしたらご本人が想定した以上に、人に何かを与えるのも天才の御業なのかなと。

時が経つことだけは誰の下にも等しく降りかかり、歳を重ねて生物は皆変化します。
天才であっても。それでも、やはり今の熊川さんの表現や存在、作品制作への姿勢に心が震えます。
カルミナ・ブラーナ2021を拝見してからずっと感動の理由を考えていたのですが、人や生き物が生まれて消えていくまでの全ての命の営みと循環、そこに紐づく感情や衝動すべては綺麗なものも汚いものも、ただ美しく、愛おしいものなんだなと。自分の場合は、そこに震えたんだなあと考えています。もちろんこれは観る方それぞれの解釈があり、その解釈の間口が広いのも、きっと名作の特徴なんでしょうね。他の方の感想を伺うのも楽しみです。

カルミナブラーナ2021。
繰り返しとなりますが、人の持つ可能性や強さ、優しさ、醜さ、欲望、孤独が結晶化されたものでした。
すごかったです。
本当に、ありがとうございました。

そして。
大分のご無沙汰でございましたが、ブログに訪問くださった皆様、ありがとうございます。
どうか明日も明後日も、ずっとお健やかにお過ごしください。

※記事内のお写真は全て、アンバサダーとして公式よりお借りしたものです。

曇りなき眼で見定める
2020-04-03 17:03

「曇りなき眼で見定める」
というアシタカの言葉が好きで、長年、折々に触れ使っています。

いやあ…。
今年のお正月に初日の出を家族で見た時には
今、こんな風に過ごしているとは想像もしていませんでした。

世界中が新型コロナウイルス(COVID-19)と戦っていますね。

まさか、自分が生きている間にこのようなことが起こるとは思ってもみませんでした。
外出自粛や常時マスクの着用など、じわじわとストレスが積み重なって辛いのに、どこか現実味がない感じです。

解明されていないことが多いウイルスの話だからこそ、情報をどのように得るかは大切なことですね。

このブログでは、私が信頼する山中伸弥先生が新型コロナウイルスについて立ち上げたHPのリンクを貼っておきます。
既に多くの方がご存知でしょうけれども、あるいは未見の方の目にとまることもあるかもしれないと考えました。

山中伸弥先生のホームページ
クリックすると、山中先生のホームページに飛びます。

それと。
もうおひとり、私にとっては生きるバレエの神様みたいな熊川哲也さんのコメント動画です。


公演を中止され、長くスタジオを休業することは大きな痛みでしょう。
熊川さんだけでなく、ダンサーさんやカンパニーの方々も本当にお辛いでしょう。

それでも現状を鑑みれば、お休みはご英断だと存じます。

私がいつも通っているバレエスタジオも、長期間お休みとなっています。
他もレッスン休止のところが多いです。

年末年始でさえ、このように長期間レッスンに行けないことはありません。
大人からバレエを始めた者ですが、私にとってはバレエは生き甲斐なので辛いです。

都内に住んでいますので、近くにも他にも開いているスタジオはまだあります。
人にはそれぞれ、色々な事情や理由や優先事項があると思いますが…。

自分が新型コロナウイルスにかからないこと。
かかってしまったのに無症状で気付かず、大切な家族にうつさないこと。
誰かの大切な人にうつさないこと。

などを考えると、私は今しばらくは我慢してみようと思います。

バレエに限らず、色々な行動を自粛していますが、ここ最近ではニュースやSNSなどで
自分より我慢していなそうな人を目にすると、正直言って、反射的に怒りの気持ちが湧くこともあります。

ですが、ちょうど課題でジョン・ロックの『寛容についての手紙』を読み終えたところです。
彼がこの著書を書いたのは、宗教戦争や宗派の違うクリスチャンたちの対立などでヨーロッパ中が疲弊していた時代でした。

どんなに自分が正しいと考えても、そう思う根拠が自らにあったとしても。
他者に持論を説きたいのであれば、それは糾弾の心ではなく慈愛の心をもって行わなければ
意味が無いとジョン・ロックは主張しています。

人間だけが、知性と言葉を持っています。
(動植物達にもあるかもしれないけれど…それはまたいずれ違う日にじっくり考えてみます。)

人間としての尊厳と、自分と見解が異なる他者への寛容の精神を忘れずにいたいなと思います。

何かを言う時、思う時、その源泉に人を責める気持ちがありやしないか。
ストレスがたまると、無意識にそういう気持ちに流れやすいので気をつけようと思います。

ということで踊れない毎日が続いていますが、家でぽつぽつ筋トレやストレッチをしています。
ポアントも足慣らしだけ。

できることを、コツコツやるしかないですね。

自分も家族も皆健康で、衣食住に事欠かない。
生活に必要なインフラが止まることもない。
当たり前に持っている幸せに感謝しつつ、自分にできることや世間で起きていることを、都度見定めたいと思います。

ちょうど今は、大学のテストが中止になって代替レポートを必死でやっています。

「かがまな、とべんのやで」「万事塞翁が馬」
どちらも、尊敬する山中先生の著書にあった言葉。

そして今回の記事のタイトルにした「曇りなき眼で見定める」
最近ずっと、これらの言葉を自分に言い聞かせ続けています。

最後に、新型コロナウイルスによって亡くなった方々のご冥福を心からお祈りいたします。
そして今、新型コロナウイルスと戦っている方々が一日も早いご回復をされますように。
医療関係の方、その他新型ウイルスと何らかの形で最前線で戦ってくださっている方々、本当にありがとうございます。

どうか皆々さまが、良き日を過ごされますように。

小さなブログに訪問くださった方、ありがとうございます。
来年、皆で美しい桜を見られますように。

~K-BALLET COMPANY 白鳥の湖~
2020-01-29 11:32

ええと、時を戻そう(すみません、ぺこぱさんのフレーズを使いたかっただけなんです)
試験やレポート、レッスンで時間がね…さらさらと過ぎ去ってゆくのです。

それはそれとして。

本日より、K-BALLET COMPANYの白鳥の湖が開演されますね。
中村祥子さんのK-BALLET COMPANYでの白鳥は、これで最後なのですね…。

バレリーナとしても女性としても素晴らしく。
そのお姿も踊りも、メディアを通じて知るお人柄も全部が憧れの祥子さん。

K-BALLET COMPANYをご卒業されても、益々美しく輝かれることをお祈りしております。

そして。
今回、ずっと王子を踊り続けていらした宮尾俊太郎さんのロットバルトも楽しみにしておりました。

宮尾さんといえば、バレエ王子。
その名にふさわしく日頃の佇まいから、既に王子様ですね。
元々恵まれた容姿をお持ちなだけではなく、それを維持向上されているご本人の努力にも心底敬服しております。

これまでに宮尾さんを2度、舞台以外でお見かけいたしました。
セルゲイ・ポルーニンさんの映画の試写会では、白玉のように光り輝いていらっしゃいました。
また、別場でのトークショーの舞台袖では、歩いている後ろ姿が既に麗しかったのです…。

ですが。
そんなことがあり、いつのまにやら自分の中で、とにかく容姿に恵まれた方というイメージが先行してたのかもしれません。

0124『白鳥の湖』宮尾俊太郎(1)

昨日拝見したゲネ(1幕と2幕)では、まず舞台の隅に現れた際に翻るマント(悪魔の羽根ですからロットバルトの一部なわけですね)に、はっとさせられ。
身を縮めて周囲を窺う矮小な表情はどこか、悪魔である自分の存在を憂えるような切ない風情もあり。

空に羽ばたく様(あれは多分、本当に空を飛んでいましたね、ええ)は強く荘厳で。

鍛えられた美しい肉体を存分に使って大きく踊られると、舞台はさながら、宮尾さんが主演のようでした

圧倒的な舞台を支配する力。
ダンサーとしてだけではなく、舞台人としての宮尾さんの力量を改めて思い知らされました。

後進育成もあり、若手の皆さんに王子役をお譲りになってサポートに回られるのかな・・・。
と、この動画を見て思っていたのですが。


いやいや、むしろロットバルトを主人公にしたアナザーストーリーで
舞台をひとつ作っていただきたいと妄想してしまうような、物語性を内包した魅力的な踊りでした。

これは、宮尾さんの新境地となるのかもしれませんね。
今後は振付なども多く取り組んでいかれるようなので、そちらも期待しております!

主演のおひとりである矢内千夏さんも、昨年のお怪我から無事ご復帰されていて何よりです!
昨日のゲネでは、美しく可憐にオデットを演じていらっしゃいました。

お父さまが大工さんで、お手伝いをしたりもされる(!)高橋 裕哉さんのジークフリード。
精密だけれど、新鮮でどこにも変な力が入っていない踊りもとても良かったです。


それと。
ブログにお目通しくださっている方へ、美のおすそ分けが出来ましたら・・・。
アンバサダーとして、Kバレエ様からお写真をお借りしているものです。

0121縲守區魑・縺ョ貉悶 冗泙蜀・鴻螟湘鈴ォ呎ゥ玖」募悼 2

0121縲守區魑・縺ョ貉悶 冗泙蜀・鴻螟湘鈴ォ呎ゥ玖」募悼 1

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0124縲守區魑・縺ョ貉悶 冗區魑・縺溘■

まだまだ色々書きたい思いはありますが・・・。

とりいそぎ、公演情報のリンクを貼っておきますね。
Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Winter 2020『白鳥の湖』

皆さま、どうか良き一日をお過ごしください。